伊藤敬佑 MD, MScPH

医師、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院修士、九州大学医学部卒
産婦人科医として国内勤務後、国内ヘルスケアスタートアップを経験。
英国で公衆衛生学を修了し、世界最貧国であるシエラレオネで産婦人科医として勤務。同国にて、妊婦を対象としたデジタルヘルスプロジェクトに従事。その後コンゴ民主共和国(DRC)に渡り、同プロジェクトに参画。
帰国後は国内スタートアップを経験後、現在に至るまで産婦人科医として臨床業務に従事。2023年に株式会社nonatを創設。同社代表取締役社長、臨床研究責任者。
代表コメント
私は、2021年のコロナ禍の最中に英国へ留学し、公衆衛生を学びました。その後、ご縁があり、2022年には世界最貧国の一つであるシエラレオネ共和国に渡航し、当時は未熟ながら、産婦人科医として現地の医療活動に従事しました。
現地では、低栄養、マラリア、腸チフスといった重篤な疾患が蔓延し、それに伴う重症貧血、臓器障害、重度脱水、心不全などに対して適切な医療介入が間に合わず、幼い命が絶たれる光景を何度も目の当たりにしました。しかし、それ以上に心を揺さぶられたのは、愛する我が子の死に深い悲しみを抱く母親や家族の姿でした。その悲しみの深さは日本と何ら変わらず、国や文化、経済状況を超えて、子を想う家族の気持ちは人間にとって普遍のものであるという当たり前の事実に、今さらながら強く心を痛めました。
WHOによる報告でも、早産・死産をはじめとする周産期医療の課題は根深く、高所得国から中低所得国まで、人の努力だけでは乗り越えられない壁が依然として存在しています。そうした中、人工知能という技術が飛躍的に進化する今、人類はついに自らを超える知恵を手にしたとも言える時代に入りました。この力を用いれば、これまで届かなかった場所にも命をつなぐ道を開くことができる――私たちは、そう信じています。
「たとえあなたが、そしてあなたのお母さんが、どんなに努力したとしても、生きるか死ぬかは、生まれた場所で決まってしまう。」 ――この理不尽とも言える現実を、私たちは技術の力で乗り越える挑戦に、真正面から取り組んでまいります。
本プロジェクトは、AIがもたらす遠隔医療の可能性によって周産期医療の在り方そのものを変え、生まれた地域や境遇、社会的背景に左右されない新たな医療のかたちを築く第一歩であると信じています。
これから未来を紡ぐ女性と子どもたちの、かけがえのない命が平等に守られる世界を実現するために。私たちはその可能性に、誠実に、そして全力で向き合ってまいります。
